GDC 2010: Soren Johnsonの語る「力学こそすべて」のゲーム制作
公開:2010年03月10日Civilization IVのリードデザイナーSoren Johnsonが、Serious Games Summitで講演。"Theme is not Meaning"と題したキーノートで、ゲームの力学とテーマ――つまり、ゲームのルールと、その上を覆う皮膚の違いについて語りました。
ゲームの意味は、ゲームのテーマよりも、ゲームの力学から発生するものだ――というのが、Soren Johnsonの主張。彼は、例として、古典的なボードゲームRiskとDiplomacyを挙げ、両者が、テーマは同じくしているものの、力学が異なる(※Diplomacyは同時進行型でランダム性がない。Riskはターン制でランダム性がある)がゆえに、非常に異なる意味を持っていると説明しました。
氏の言葉を借りると、「Riskは危機に関するゲームであり、Diplomacyは外交に関するゲームだ」 また、その主張に則ると、「スーパーマリオブラザーズは配管工のゲームではなくタイミングのゲームであり、Peggleはユニコーンのゲームではなくカオス理論のゲームである。Battlefield 2とLeft 4 Deadは、両方ともチームワークのゲームだが、テーマが非常に異なる」ことになるそうです。
また、氏が深く関わったCivシリーズを例にとって、「Civilizationは世界の歴史に関するゲームと思われがちだが、ゲームの力学は、ゲームプレイを楽しいものにするため、非現実的な想定をおこなっている。たとえば、現実の国王たちは権威を委譲するが、プレイヤーは絶対的な支配を望む。現実の文明は馬のない大陸でも発展できるが、ゲームで同じことをやったら、プレイヤーを失望させるだろう」と解説しました。
現実的なテーマを選ぶことのジレンマにも言及。「現実世界のテーマを選ぶと、プレイヤーの想定に起因する制限が付きまとう。たとえば、Civilizationなら、弓兵はこうあるべきだし、ピラミッドにはこういう意味があるべき、と言った具合だ」 氏は、多くのゲームデベロッパーがSFを好むのは、このジレンマを回避して、ゲームの力学にあわせたゲーム世界を構築できるからだと解説しました。
氏は、ゲームのテーマが力学と相反すると、プレイヤーを失望させることになる――とも主張。例として、自身も関わったSporeを挙げ、進化をテーマにしたゲームだったはずなのに、ゲームの魅力が(進化と関係のない)クリーチャークリエイターに集まっていたために、賛否両論を受けてしまった、と振り返っています。
参考
- GDC: Mechanics Are Everything | Edge Online
- Soren Johnsonのブログ、Designer-Notesに掲載された講演のスライド(注:zipファイル直リンク)

