見たログ:『映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花』
公開:2011年04月02日こないだ観に行ってきたDX3の話をちょろっと。
ユナイテッド豊洲で平日夕方からの回。ららぽーと豊洲にはキッザニアもあるし、春休みだからさぞかし親子連れが多いんじゃないかと思ってたんだけど、観客は大人男性オンリーで、それもごく少数。
「ごく少数」というのは誇張でもなんでもなくて、なんと一桁前半台! やっぱりまだまだ映画って気分じゃないのかもなあ。
でも、ららぽーと豊洲全体の人出は、ふつーの平日の時より(わずかではあったものの)増えていたので、単に午後遅くの回が回避されただけかも。逆にと言うかなんというか、映画館で観てみたいけど保護者の人をむやみに警戒させちゃうのはどうも……的な遠慮をしている大きなお友達には、平日午後遅くの回はお薦めです。下手をしたらシアターまるごと独占できちゃう可能性も。
内容は、人が少なかったのは時期が悪かったか時間帯が悪かったせいだと、自信を持って断言できる、プリキュアファンなら大満足の出来。テーマがはっきりしていて、各キャラそれぞれに見せ場があり、ダレ場が一切ない、サービス満点の快作で、シリーズの必殺技がたたみかけるように連続する決め場の盛り上がりは最上級。
重要な設定の説明や、ミラクルライトの使用場面、離ればなれになった仲間への信頼、絶望とそこからの回復、フィニッシュブローの大連続大会など、重要な要素すべてが二回繰り返される設計は、単純ながら効果絶大。子供向け作品にとってなにより重要である「分かりやすさ」に大きく貢献しているのはもちろん、打ち出されるメッセージの力強さも倍増されていて、これを観て無感動でいられるファンはいないはず。「別れ」というテーマとのシンクロもあって、DXシリーズのフィナーレを飾るにふさわしい作品に仕上がっています。
大事な部分を二度繰り返すのと同じくらいうまいのが、キャラクターをシャッフルしてグループ分けした発想で、別シリーズのキャラを絡ませ、各グループの特性(リーダー・サブ・サポート)を発揮させ、黄色組と小動物組をご機嫌伺いにして雰囲気を和ませつつ、小気味よい場面転換でピンチの連続を演出する構成には、文句の付けようがないどころか、もはや感嘆しきり。子供向けの単純娯楽映画としてはぶっちぎりの出来です。
DXシリーズ最高傑作と呼びたくなる完成度の作品だけに、震災と重なってしまったことは、どうしようもないことながら、やはり残念。被害の大きかった東北地方には、観に行くつもりで楽しみにしていたのに、震災の影響で映画館へ行けなくなってしまった子供たちが、きっとたくさんいるはずです。
そこで考えたんだけど、被災地の状況が落ち着いた頃……ゴールデンウィークはまず無理だろうけど、夏休みくらいに、白布とフィルムと映写機と発動機を携えて各地を巡る野外上映会、プリキュアキャラバンを開催することって出来ないでしょうか。
作品の受け取り方は本当に人によってさまざまだから、こういうことを安易に口にするべきではないかもしれないけど、作品中で繰り返される、「出口がわからなくても、立ち上がってまっすぐ前へ進んでゆこう」「離れていても信じていれば気持ちが通じあえる、気持ちが通じあえばいつも一緒」というメッセージは、制作側の本来の意図がそこに無かったからこそ、あざとさや、思い返したくない出来事に正面から向かい合う重さを感じさせることなく、被災地の子供たちの心に寄り添える可能性を持っているように思えます。
DXシリーズは昔のキャラも登場するから、現行シリーズのメイン視聴者層よりちょっと年上の子も喜んでくれるはずだし、なにより、「被災地にプリキュアが来てくれた!」というただそれだけが、それだけで十分子供たちの元気になってくれそう。娯楽産業にできる復興支援としては、なかなかどうして立派なレベルだと思うのですけど、どうでしょう東映さん。

