Civ4戦略情報:VirusMonster氏の天帝極大マップインカ戦略
公開:2006年09月09日CivFanaticsのCiv4戦略記事フォーラムに、VirusMonster氏がVirusMonster's Deity difficulty Huge map strategy with Incasというタイトルの記事を投稿しています。難易度天帝レベル、マップサイズ極大で、インカ文明を使っていかに勝利するかをくわしく解説した、素のCiv4用の記事です。Warlordsでは指導者の志向などの状況が変化しているため、この戦略をそのまま使用するのは難しいかもしれません。
訳注:この訳は元の記事の一部を抜粋して翻訳したものです。また、より良い理解のため、説明の順番を元記事から一部変更しています。
抜粋
私はほかの誰かが天帝極大サイズマップの戦略をくわしく解説しているのを読んだことがない。そこで自分で書いてみようと思い立ったのだが、実際にやってみるとこれはひどく困難だった。短くまとめると、AIの成長力が大きすぎ、入植者が多すぎ、生産力が高すぎ、技術開発が速すぎるのだ。AIのアドバンテージは指数関数的に増大するので、平和的な建設戦術を取るかぎり──すくなくとも極大マップでは──けっしてAIに追いつくことはできない。AIのボーナスに追いつくには、プレイヤーはできるかぎり大量の都市を、できるかぎり素早く奪い取る必要がある。
しかし、いかにして? 伐採はv1.61で弱体化した。これにともない、青銅器早期開発の効率性も大幅に減少している。斧兵伐採ラッシュがいまでもうまくゆくなら教えてほしい。何度も試してみたが、私は失敗してばかりだ。しかし、ゲームには斧兵ラッシュよりもすぐれた古代文明がある。インカだ。
できるかぎり素早くAIを攻撃したい? AIが中心都市を育て上げる前にできるかぎり多くの土地をつかみたい? ズル技を使わずに、天帝極大マップでAIを打ち負かしたい? ──それなら、ケチュア戦士が答えだ。
古代において、AIは弓兵を防御ユニットとする。ケチュア戦士は対弓兵戦闘の専門家だ。そこにインカの持つ攻撃的志向のボーナスが付加されれば、ケチュア戦士はランボーと化す。天帝レベルであっても、AIはケチュア戦士に対抗するために戦士を生産しようとせず、守りはもっぱら弓兵にまかせるので、勝率は100%だ。しかも、ケチュア戦士はゲーム内でもっとも安価な攻撃ユニットで、ゲーム速度マラソンでは30ハンマーで生産できる。ケチュア戦士による統治は、攻撃をしかけた文明からうまいこと銅と馬資源をもぎ取ることができれば、青銅器時代以降にも容易に延長できる。これから私が紹介するのは、速度マラソンのゲームにて、開始後6ターンでケチュア戦士1体を生産するテクニックだ。この手法を使えば、24ターンで5体のスタックを保有できる。「24 ターンで120ハンマー、まず最初に労働者と伐採」方式とは大違いだ。
このケチュア戦士を使えば、周囲の土地が改善済みの都市2つと、労働者2〜3体、そして次なる文明からより多くを奪い取る機会を手にいれることができる。維持費の問題から、この段階で停止する必要が出てくるかもしれない。しかし、ここで金融志向が効いてくる。小屋スパムと組み合わせれば、天帝レベルのAIと互角な勝負ができるはずだ。ケチュアラッシュは私の独創ではないが、天帝レベルのための調整を加えてある。
訳注:Warlordsでは、インカのワイナ・カパックの志向は勤労・金融に変更されています。
ゲームの設定
ゲーム速度:マラソンを使う。というのは、ケチュア戦士が、標的の都市に向かっている途中で時代遅れになったりしないからだ。それに、個人的に低速のゲームが好きだというのもある。
マップサイズ:極大を選ぶ。天帝レベルの極大サイズマップは、最上級のCiv4プレイヤーにとってもいまだ手ごたえのあるものだと私は思う。ほかのマップサイズなら征服勝利や早期の制覇勝利も可能かもしれないが、天帝サイズではすべての可能性を追ってゲームをプレイする必要があるからだ。欠点は、小規模マップのようにゲームを早期に終了できないので、スコアが低くなりがちな点だが、私はどちらにせよ得点をあまり重視しない。天帝極大で勝利するという目標が最優先だ。天帝レベルで勝利した場合は得点を2倍にすべきではないかと個人的には思っている。
マップの種類:マップがより大規模になり、より地球に近づくので、個人的には「テラ」マップが好きだ。テラマップではマップが大規模になるだけでなく、地球のように大陸群が2つに分割されている。これにより、外洋を航海できるキャラベル船を発見するまで、AIが入植可能な土地が少なくなる。土地が少なければ、AIの持つボーナスも真価を発揮できない。
熱帯気候、海面高:熱帯を選ぶと、多くの土地がジャングルに覆われるので、初期時点で入植可能な土地が少なくなる。海面高も土地を減少させる。AIが帝国を成長させるための土地をできるだけ少なくするのが私の狙いだ。望むなら、もっと陸地が多くなるオプションを選んでもよい。ゲーム後半に勝利した場合の得点がよくなるだろう。
敵文明の数:17だ。分割統治がこちらの常套手段となるので、敵を小規模に分割させておくのが得策となる。いちばん近くにいるライバルの2〜3倍の数の都市を保有できたら、ゲームに勝利できる可能性があると考えて良いだろう。それに、文明数が増えると、宗教的な混乱が起きやすくなるのもよい。たいていは、ふたつの主力宗教の勢力による戦いが勃発する。
自力開発した技術を複数の文明に売却できるとは考えないこと。外交交易に高いペナルティがあるせいで、新技術を複数の文明に売却するのはほとんど不可能となっている。大部分の期間は技術後進国にならざるを得ないのを受け入れること。必要が出てくるまで、最大のライバルを葬り去るまでは、技術競争ではじっと我慢の子でいること。あるブランチで技術的優位を勝ち取れる日が来たら、そのときは大交易時代が待っている。
蛮族:私は通常の蛮族設定でプレイするのが好きだ。蛮族なしの設定は非現実すぎると思う。私は最初、蛮族はたいした問題にならないと思っていた。土地はすぐにAIで埋め尽くされ、蛮族の生まれるスペースがなくなってしまうからだ。しかし、初期においては、蛮族は大きな問題を生み出し得る。最近プレイしたゲームでは、首都へ送ろうとした捕虜の労働者多数が野性動物に殺されてしまった。「栄誉の殿堂」の記録で50万点を叩き出したA_Turkish_Guy氏も、「蛮族なし」の設定を強く推奨している。彼の経験によると、蛮族の斧兵があまりにも早期に出現するのが問題だという。したがって、栄誉の殿堂入りを狙うなら、蛮族なしを選んでおくべきだろう。
どうしても蛮族ありでプレイしたいのなら、蛮族の襲撃に備えて、一時的に基地の近くに1〜2体のケチュア戦士を用意しておくべきだろう。「大移動する蛮族」(Raging Barbarians) のオプションは、天帝レベルではまったくおすすめできない。
ほかのゲームは「栄誉の殿堂」ゲーム標準のルールに合わせておくこと。
文明の選択
インカを使用しない場合、ゲーム初期にアドバンテージを持つ指導者を重点的に選ぶ。宗教志向の指導者は選ばない。宗教志向の利点は、社会制度の選択肢が多くなったゲームのずっと後半にならないと効いてこないからだ。ゲーム初期にたくさんの都市を設置できないことはわかりきっているので、創造志向の指導者も選ばない。こちらがどんなに努力しても不思議競争でAIに勝てないこともわかりきっているので、勤労志向も右に同じ。また、偉人ポイントを生み出すのに必要な初期の不思議を建設できないことから、哲学志向の恩恵も受けられない。
積極的な伐採戦略が取れるため、拡張志向は申し分のない志向だ。プラエトリアンと組織志向の組み合せを考えれば、ユリウス・カエサルはじつに強力な指導者となる。しかし、個人的には、カエサルよりも、金融志向と組織志向の組み合せで究極の戦闘君主となるワシントンのほうが気に入っている。攻撃志向が良い志向であることには多言を要さない。カパックの経済志向と組み合わせれば、拡張と技術競争をうまく進めることができるだろう。徳川も良い指導者だと思う。
訳注:Warlordsでは、ユリウス・カエサルの志向は組織・帝国に、ワシントンの志向は拡張・カリスマに、ワイナ・カパックの志向は勤労・金融に変更されています。
ケチュア戦士工場
さて、長々と続けたあとでようやくだが、ケチュア戦士をゲーム開始後6ターンで生産する私の戦術を解説しよう。
都市スクエアから通常の2食糧/1ハンマーではなく、2食糧/2ハンマーの出力を得るには、都市を丘陵または平原に設置する必要がある。また、都市周囲には、3ハンマーを出力する丘陵/森林/平原がなければならない。これでターンごとの出力は5ハンマーとなり、6ターンで30ハンマーを生産できる。しかしこのあいだ、都市は人口成長できないので注意すること。開始地点が丘陵/平原でなかった場合は、ゲームを再生成せよ。
入植者が丘陵/平原からゲームを開始できた場合は、紀元前4000に都市を設置できる。そうでなかった場合、理想的な場所へ移動するために1ターンを費やす必要があるかもしれない。丘陵/平原のかわりに、+1ハンマーボーナスがある資源の上に都市を建設するのも手だが、この場合、資源にはアクセスはできるものの、資源の出力は向上できなくなることに注意。
理想は、大理石または石材資源のある平原/丘陵に都市を設置し、鹿資源のある森スクエアで市民を労働させることだ。これにより、都市全体の出力は6ハンマー/1食糧となり、連続生産を進めながら都市が成長できる。
しかしながら、完璧な平原/丘陵地帯からゲームを開始できるのは非常に稀である。追加の1ハンマー出力があるため、丘陵/平原に入植するのは、ゲーム序盤の非常な利点となる。しかし、都市周囲の丘陵/森林/平原は、必ずしも必要ない。都市の人口が2になれば、簡単にケチュア戦士を6ターンで生産できるからだ。つまり、1〜2ターンを犠牲にしてでも、平原/丘陵の上に都市を建設しさえすれば、都市周囲の3ハンマータイルは必要ないことになる。
ケチュア戦士連続作成戦術
私はさまざまな戦術を試してみたが、ケチュア戦士をノンストップで生産するやりかたが一番だった。というのは、速さという利点を生かして、首都や周辺都市の文化防衛ボーナスが高くなりすぎる前に、AIの守りの薄さを突くことができるからだ。文化ボーナスが高くなりすぎるか、敵に都市防御用の第3、第4の弓兵の生産を許してしまうと、都市を奪うのはずっと難しくなる。都市2つ3つからなる狭い土地に閉じ込められて、広大なAI帝国と争う羽目になるだろう。したがって、初期に文明をひとつ滅亡させて、残り文明を16にしておく必要がある。
最初のケチュア戦士を使ってマップを探索し、最初の労働者を捕獲。これによって開戦の口火を切る。労働者を首都へ送って農場を設置させるいっぽう、首都で生産したケチュア戦士を敵の都市へと送る。ケチュア戦士3〜4体が敵首都に到着するまでには、敵は3体目の弓兵を完成させていないのが普通なので、これで首都を占領できる。
ケチュア戦士を使った(より非効率的な)その他の戦略
ケチュア戦士を使う戦略では、次のような選択肢も考慮した:
- 労働者を先に生産し、次にケチュア戦士を生産する:
必要性がない。最初の労働者は敵から奪うことができるし、あとで占領するたくさんの都市からも、大量の労働者を奪えるからだ。
- 入植者を先に生産する:
これも必要性がない。こちらは敵文明の都市をふたつ奪い、不幸関連の問題を減らすために相手を滅亡させるからだ。
- 兵舎を先に建設する:
これは試したことすらない。ゲーム速度マラソンでは、ケチュア戦士が30ハンマーなのに対し、兵舎は180ハンマーという大量の投資を必要とするのがその理由だ。+4 経験値はどのみちたいした助けにはならない。ケチュア戦士がカバーと都市襲撃 Iの両方を入手するには、5 経験値が必要だからだ。
- 最初に青銅器を研究する:
インカは初期技術として採鉱を保有していないので、これは大きな間違いだ。ケチュア戦士を選ぶ理由は、プレイヤー側の斧兵生産を遅らせるためである。そのうえ、天帝レベルでは研究に追加のペナルティが課されるので、斧兵生産までの時間はますます長くなることになる。
お菓子の小屋から採鉱のような基礎技術が入手できることもあるが、これを当てにするわけにはいかない。というのは、1) AIが斥候を使って大部分の小屋を回収してしまううえに、2) セーブ・リロードを使わない限り、つねに技術を入手できるとは限らないからだ。
- ケチュア戦士の生産を遅らせる:(ケチュア戦士1体の生産に8〜10、もしくは15ターン)
この方法の利点は、ケチュア戦士の生産が遅延するかわりに、より多くの人口成長が見込めるところにある。 都市範囲に3ハンマーを産出するタイルがない場合、人口2の都市でケチュア戦士を生産したほうがより有益なので、この計画はケチュア戦士大量生産へ移行するためのポテンシャルを秘めていることになる。
だが、幾多の天帝レベルのゲームで得た経験から言うと、都市の人口を2に上げることを優先する方針を含めたどのような場合であっても、遅くても紀元前3310年までにはケチュア戦士を5体生産しておくべきだ。紀元前3310年は、おおかたのAI文明の首都が人口4に成長する時期である。丘に設置されていない敵首都を確実に占領するにはケチュア戦士5体が必要なので、ケチュア戦士の生産は迅速に進めなければならない。
まとめとTips
需要な注意点として、敵首都の人口が3または4(!)になるまで待つこと。というのは、 都市を占領するときに、人口が1減少するからだ。
AIの土地改善を略奪してはいけない。都市はいずれこちらのものになるので、自分のものであるように扱うこと。
ケチュア戦士を5体以上生産したところで、維持費を支払う必要が出てくるだろう。まず、最初にケチュア戦士を7体生産しておいて、最初の2都市を占領するまでは、損失分を補填するにとどめる。それから、次の文明を占領するために大量生産を始めればよい。
青銅器の研究を急いではいけない。プレイヤーは森林を伐採する必要も斧兵を生産する必要もないのだから。土地改善関連の技術を研究して、捕虜にした労働者で都市周囲の改善を進めること。小屋 (cottage) を建てるか、すでに地形改善済みの都市を占領せよ。

